「賃上げはしたいが、原資が心配」——人材確保のために給与を上げたい一方で、コスト増を懸念する中小企業は少なくありません。その負担を軽くするのが賃上げ促進税制です。従業員の給与を前年より増やした企業が、その増加額の一定割合を法人税(個人事業主は所得税)から控除できる制度です。
本記事では、認定経営革新等支援機関の TRUSTEP JAPAN が、中小企業向けに賃上げ促進税制の仕組み・要件・実務の流れを分かりやすく解説します。
・給与を前年より増やすと、増加額の一定割合を税額控除できる
・教育訓練費の増加など上乗せ要件で控除率がさらに上がる
・赤字などで使い切れない分を繰り越せる仕組みもある
・補助金の加点にもつながり、賃上げは資金面で二重に効く
1. 賃上げ促進税制とは
賃上げ促進税制は、企業が従業員に支払う給与等の総額を前年度より増やした場合に、その増加額の一定割合を法人税額から差し引ける制度です。中小企業向けには、大企業向けより控除率が優遇されています。「賃上げの負担を、国が税金の面で後押しする」制度と考えると分かりやすいでしょう。
2. 中小企業が押さえるべき3つのポイント
前年より増やす
両立支援等
を繰り越し
ポイント①:まずは「給与総額の増加」が基本要件
前年度と比べて、雇用者全体への給与等の支給額が一定割合以上増えていることが基本の要件です。増加割合が大きいほど、控除率も高くなる設計になっています。
ポイント②:上乗せ要件で控除率を積み増せる
基本の控除に加えて、教育訓練費を増やす、子育て・女性活躍支援の認定を受けるなどの取り組みで、控除率を上乗せできます。人材育成(研修)への投資は、この上乗せ要件と相性が良く、賃上げ税制と同時に活かせます。
ポイント③:使い切れない控除は繰り越せる
その年度に控除しきれなかった分を、一定期間繰り越して翌年度以降に使える仕組みもあります。「今年は利益が少なくて活かせない」ケースでも、無駄になりにくい設計です。
3. 実務の流れ
- 前年度と当年度の給与等支給額を集計して増加を確認する
- 上乗せ要件(教育訓練費の増加等)に該当するか確認する
- 控除額を計算し、法人税の申告書に必要な明細を添付して申告する
制度の適用要件・控除率・上限は年度の税制改正で変わります。実際の適用可否と金額は、必ず顧問税理士や専門家に確認してください。本記事は制度理解のための概要です。
4. 賃上げは「補助金の加点」にもなる
賃上げの効果は税制だけではありません。多くの補助金では、賃上げの表明・実施が加点項目になっています。つまり賃上げは、①税額控除で負担が軽くなり、②補助金の採択率も上がる、という二重のメリットがあります。補助金の狙い方は 今から間に合う補助金・助成金 締切カレンダー をご覧ください。
5. まとめ
賃上げ促進税制は、人への投資を後押しする制度です。給与総額の増加を基本に、教育訓練費などの上乗せ要件を組み合わせれば控除率を高められ、使い切れない分は繰り越せます。さらに賃上げは補助金の加点にもなり、資金面で二重に効きます。
「賃上げ・補助金・資金繰りを一体で考えたい」という方は、認定経営革新等支援機関の TRUSTEP JAPAN にご相談ください。ミタス・コンサルと早期経営改善計画策定支援で、成長投資と財務の安定を同時に進めます。
